がん検診
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がん検診の対象者は、自覚症状がない人です。症状がある人は医療機関の受診が必要です。
また、がん検診の目的は、無症状のうちにがんを早期に発見し、適切な治療を行い、がんによる死亡を減少させることです。一方で、デメリットもあります。がん検診のメリット(利益)、デメリット(不利益)をよく理解し、正しい知識を持ってがん検診を受診しましょう。
がん検診のメリット・デメリット(日本対がん協会ホームページより一部抜粋)
がん検診のメリット
メリット1「救命の効果があります」
最大のメリットは、早期発見、早期治療による救命です。
メリット2「早期がんを発見できます」
早期であれば治せる可能性は非常に高く、患者さんにかかる身体的負担、経済的負担や時間は一般的に少なくてすみます。重い自覚症状をきっかけに進行がんで見つかった場合の治療は身体にかかる負担が大きかったり、時間がかかります。治すことが難しいこともあります。早期の段階で見つけられるように、がん検診は正しい時期から定期的に受けることをお勧めします。
メリット3「がん以外の病気も見つけることができ、治療に結び付けられます」
がん検診はがんを見つけ、そのがんによる死亡率を減らすことが目的ですが、がん検診では早期がんが見つかるばかりではなく、がんになる前段階の病変が見つかることもあります。がんになる前段階の病変とは、具体的にはポリープや潰瘍、異型上皮などです。こうした病変が軽い場合は経過を観察して、必要に応じて治療することで、がんになることを防ぐことができます。
メリット4「安心して生活を続けられます」
がん検診を受けて「異常なし」と判定されれば、ひとまず安心して過ごすことができます。ですが、日本人の生涯に2人に1人ががんになり、年間で亡くなる人の3割ががんで亡くなる時代、「過信」は禁物です。定期的な健診の受診を欠かさないで下さい。
がん検診のデメリット
デメリット1「がん検診の判定・診断の結果が100%正しいというわけではありません」
がん検診技術は、目覚ましく進歩しています。しかし、「異常なし」という判定は、「あなたの身体にはがんはありません」ということではありません。少しでも検診の精度を高めようと努力・工夫をしていますが、がんの場所や種類によっては見つけにくいことがあります。また、見落とすこともあるのが現状です。
デメリット2「結果的に不必要な治療や検査を受けてしまうことになる可能性もあります」
検診でみつかるがんには、その後進行がんにならなかったり、そのままの状況にとどまったりして、生命に影響しないがんもあります。今のところ、このようながんと普通のがんを区別することができません。そのため早期治療のため、このようながんにも手術などの治療が行われますが、この治療が本来不要だった可能性もあります。こうしたがんを発見することを「過剰診断」といいます。また、がん検診で「がんの疑い」と診断されると、精密検査が必要となりますが、精密検査を受けた結果、「がんではなかった」と判定されることが多くあります。これを「偽陽性」といいます。結果的にみれば不必要な検査が行われたことになり、受診者には心理的な負担もかかることになります。ただ、精密検査を受けて初めてわかるもので、精密検査をしないわけにはいかず、ある程度は避けようもないのが現状です。
デメリット3「検査によって身体に負担がかかってしまうことがあります」
また、胃部X線検査で使うバリウムは便秘になることがありますし、内視鏡では、出血や穿孔(せんこう)といって胃や腸に穴を開けてしまうこともあります。放射線には被爆(ひばく)の問題があります。
日本で推奨されているがん検診
現在、日本では5つの「がん検診」が有効な検診(死亡を防ぐ効果があることが科学的に証明されている検診)として推奨されています。また、検診のメリット・デメリットのバランスを検討して、対象となる年齢や受診間隔が定められています。
<推奨されるがん検診の内容>
がん検診の流れ
がん検診を受けて「異常あり」と判定された場合には、必ず精密検査や、診断・治療を受けることが必要です。また、がん検診を受けて「異常なし」となった場合でも、将来にわたってがんにならないわけではないので、定期的に検診を受診することが重要です。
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