令和2年第4回定例会挨拶(諸情勢報告)

本日は令和2年第4回定例会を招集いたしましたところ、公私ともご多忙のなかご出席賜りまことにありがとうございました。
提案理由をご説明する前に少しお時間をいただきまして就任のご挨拶とこれからの4年間に向けた私の思いを申し上げます。

先の町長選挙におきまして、お陰をもちまして再選を果たすことができました。改めてご支援いただきました皆様にお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
4年前にも申し上げましたが、私は、無投票当選を非常に重く受け止めております。地方自治運営において師と仰ぐ東京大学名誉教授大森彌先生は、「現職首長の無投票当選ともなれば、過去4年間の実績が信任されたと思いたいところであろうが、たまたま対立候補者が出なかっただけで、必ず信任されたとはいえない。むしろ、心を引き締め、驕ることなく、きめ細かく民意の所在を探る努力をしなければならないのである。」と著書に書いていらっしゃいます。

その通りでございまして、私も緊張感を持ってこの4年間の町長職を全うすべく、これまで同様、全身全霊を傾けて努力してまいる所存でございますので、何卒よろしくお願い申し上げます。「着眼大局、着手小局」という言葉がありますが、まさにその思いで、日々の職務を大事にしてまいりたいと考えます。そして、常に「私心なかりしか」と問うて、「利他の心」をもってことにあたることをお約束いたします。
敢えて申し上げるならば、これまで以上の情熱をもって職に当たることを肝に銘じておかなければならないと思っております。少しでも私のそのような思いに陰りが見えるようであれば、厳しくご指導いただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

新型コロナ禍のなかで、なかなか町民の皆様に訴えることは叶いませんでしたが、私は今回の選挙に向けた活動において、「篠栗町の更なる自立を目指して」として9つの項目を掲げました。すべてをここで申し上げることは控えますが、「防災に強いまちをつくる」や「高齢化社会を楽しく生きる」、「障がい者も健常者も共に生きる」など、「自助」「共助」「公助」を基本とするものを柱の一つに考えました。

菅総理大臣が「まず自分でできることは自分でやる。自分でできなくなったら、家族とか、あるいは地域で支えてもらう。そしてそれでもダメであれば、それは必ず国が責任を持って守ってくれる。そうした信頼のある国づくりというものを行っていきたいと思います。」と語られた思いと重ね合わせ、「信頼のあるまちづくり」を行いたいとの思いであります。

そうしてその「信頼のあるまちづくり」を行うためには、先の大森先生の唱える「自助」と「共助」の間に「互助」即ち自発性とゆとりと思いやりに基づく支えあい活動、家族・隣人・友人が無償で行う支援活動としての「互助」が息づくことこそ重要であると考えます。老いて身が弱っても、自分の生活に関することは自分で判断し、できるだけ行おうとする個人の自助努力を尊重し励まし支援する。まさに私が今回の選挙に向けた発信テーマの一つであります「65歳以上がピークを迎えるといわれる2040年問題を包み込む活き活きとしたコミュニティづくり」であります。そうした篠栗町をつくるために一つひとつ「着手小局」の思いで取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

11月30日からの新たな4年間、私の4期目において議会からご指導いただいた点をしっかりと修正し、「篠栗町の更なる自立」のため、自治の両輪としての議会に提案し、ご協議をお願いし、チェックをいただきながら行政運営を進めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

少し最近の全国町村や糟屋地区を巡る動きについてご報告いたします。

11月26日に全国町村長大会が、菅総理大臣、武田総務大臣はじめ多くのご来賓の下に開催されました。

今年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、各県の会長副会長のみの参加となりましたが、この大会において13項目の通常決議のほか、「コロナ下、コロナ後社会を見据えた町村からの日本再生に関する特別決議」「全国的な防災・減災対策・国土強靭化の推進に関する緊急決議」を採択しました。
菅総理大臣や総務大臣からは、町村の消費を活性化し、町村所得を増加させる。マイナンバーカードを令和4年度までに国民の大多数が所有するための全国的なルール作りをする。税収の大幅な減少は一般財源の確保によって補う。地方における関係人口の創出拡大を目指す。など多方面にわたるご発信をいただき、私をはじめ出席した町村長は大変心強く感じることができました。

12月1日、「福岡市地下鉄福岡空港駅・JR九州長者原駅接続促進期成会準備会」の糟屋郡7町の世話人として、筑豊地区2市3町の世話人である片峯飯塚市長とともに、要望書を福岡県知事、福岡県議会議長・副議長はじめ自由民主党県連幹部の県議会議員の皆様にお持ちいたしました。
これから10年、20年先の話となるかもしれませんが、福岡の都心に向かうアクセスの多様化は、必ずや福岡都市圏東部に位置する糟屋郡とその東にある筑豊地区の福北ゆたか線沿線の地域にとって有益になるものと期待しております。今後のハードルは高いとは思いますが、飯塚商工会議所はじめ民間団体を巻き込んでの期成会結成を目指してまいります。

以上、私の新たな4年間のスタートに当たってのご挨拶と直近の諸情勢をご報告いたしました。

(令和2年12月3日)

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