令和3年篠栗町議会第1回定例会施政方針~篠栗町新時代に向けて(4年目)~

皆さんおはようございます。本日、令和3年第1回の定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。

それでは、令和3年度の施政方針についてしばらくお時間をいただき、述べたいと思いますが、篠栗町内において発生した保護責任者遺棄致死事件について一昨日報道されました。改めて、食事を十分に与えられず衰弱死した男児に哀悼の意を表しますとともに、今後こうした事件を未然に防ぐためにどのように対応していくべきか、関係各方面としっかりと検証しなければならないと考えます。後刻全員協議会で詳細をご報告いたします。

新型コロナウイルス感染症の拡大について申し上げます。福岡県においては、首都圏を除く他の5府県とともに2月28日で緊急事態宣言が解除されましたが、首都圏では宣言が継続中であり、まだまだ予断を許さない極めて深刻な状況が続いています。

そうしたなか、福岡県町村会では、先の定期大会(書面会議)において「新型コロナ感染拡大は、国民生活及び社会経済活動にきわめて深刻な影響をもたらしており、我が国の最優先課題として、国、県とともに対応、対策に全力で取り組む必要がある。」と決議いたしました。

本町におきましてもワクチンのスムーズな接種を令和3年度の最重要課題と位置づけ、できるだけ早い時点での町内医療機関での個別接種と5月9日以降の集団接種をスタートさせるための準備を急いでおります。詳細は本定例会の会期中、健康課長から説明をいたしますのでよろしくお願いいたします。

私は、毎年、3月定例会の施政方針を述べる際、日本の原点である町村のあり方について述べている町村会の決議文を引用いたします。それは、行政を預かる者としてしっかりと心に留め置いておきたいという思いに他なりません。

今年も繰り返します。

町村は住民に最も身近な行政主体として、住民が生活を営む為の基礎的サービスから多種多様なサービスの提供と国土・自然環境の保全、食料の安定供給や水資源の涵養等の公益的機能に加え、我が国の伝統・文化の継承など人々の心のよりどころとしても重要な役割を担い続けている。(中略)
我々町村長は、このような状況を踏まえ、相互の連携を一層強固なものとするとともに、自らの変革を厭うことなく不断の決意と揺るぎない信念を持って、直面する困難な課題に積極果敢に取り組み、自らが知恵を絞り、住民と一体となって地域特性や資源を活かした施策を展開し、豊かな住民生活と個性溢れる多様な地域づくりにまい進するとともに、安全・安心で活力と潤いのある町村の実現を目指すことができるよう行財政基盤の強化を図ることが必要である。

令和2年度の福岡県町村長大会では16の決議項目を掲げました。
今年度1番目は言うまでもなく新型コロナ感染症の拡大防止に向けた発信です。

「新型コロナウイルス感染症の拡大防止とコロナ下、コロナ後の社会を見据えた万全な経済対策の実施を図ること。また、新型コロナウイルスワクチン接種については、実施主体である町村との情報共有を図り、財政支援を含めた必要な措置を講じること」

その他にも、

「地方の情報通信基盤の整備を加速化し、デジタル社会を推進すること」

「少子化の進行に対応した子育て支援・医療・保健・福祉施策を強力に推進すること。特に、幼児教育・保育の無償化の円滑な実施に当たっては、国の責任において必要な財源を確保するなど万全の措置を講じること」

を新たに加え、令和3年度の福岡県町村会29町村の進むべき方向性を定めました。

篠栗町新時代に向けて

さて、令和2年度は、新型コロナ感染防止のため、ほとんどの社会経済活動が停止せざるを得ないという大変な1年でした。本町におきましても、季節ごとに恒例となっていた町の事業や地域の行事、学校関係のイベントも大きく規模を縮小したり中止したりするという事態となりました。

令和3年度は、4月の春らんまんハイキングは残念ながら、事前準備ができず令和2年度に引き続き中止といたしましたが、5月以降の事業や各種行事につきましては何とか工夫を凝らして、規模を縮小してでも開催したいと考えております。また、各区行事においても工夫して開催していただけるよう、役場がしっかりフォローしたいと昨日の区長会でお伝えしております。

希望者へのワクチン接種完了という大きな使命を全うしつつも、篠栗らしさを取り戻すため、活気を持続させるためにも何とか知恵を絞って取り組んでまいりたいと考えますのでどうぞよろしくお願いいたします。

篠栗町地方創生=「第2期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」が令和2年度からスタートいたしました。

「篠栗北地区産業団地整備」は造成を完了し、6区画の進出企業も固まりました。あとは、令和5年(2023年)4月の操業開始を目指して、秋にも一部建設工事が始まります。個性ある様々な食品系工業団地の形成とそれらを目当てに人の行き来を演出する未来志向のシンボルゾーンを形成するために、4月から進出予定企業の皆様としっかりとグランドデザインを創り上げようと考えております。

税収増加や雇用機会の増大と働き手世代人口の流入等による自主財源比率の向上を図る大きな力となると考えております。

平成30年度からスタートした第6次総合計画「ささぐりみんなの羅針盤」と併せて、「第2期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」によって引き続き国の人口ビジョンに沿った取り組み、即ち、「2060年の篠栗町人口ビジョン目標29,000人」に向けた人口の底上げを図ることができる見込みです。

今年度も引き続き、篠栗町新時代に向けた様々な取り組みを全力で推進することとしておりますので何卒よろしくお願いいたします。

では、令和3年度事業について、課ごとで取り組もうとしているポイントを説明いたします。

1 議会費

まず、議会におかれましては、議会の活性化に向けたさまざまな取り組みに対し心から敬意を表します。タブレット端末による議会のペーパーレス化は、最近多くの自治体で追従する動きが進んでおります。

取手市議会では、タブレットを利用したリモートによる委員会の開催や現地視察を行うなど、工夫を凝らして取り組んでいるとの新聞記事がありました。

議会事務局におかれては、委員会会議録等の積極公開の検討も進めるとの提案もいただいており、加えて更なる先進的な議会を目指して情報収集をお願いしていただければありがたいと考えます。

2 総務費

総務費では、総務課、財政課、まちづくり課、会計課、税務課、収納課、住民課が関わっております。

総務課では、懸案の総合計画「ささぐりみんなの羅針盤」基本方針8に掲げておりました役場職員(地域サポーター)の配置について、各2人+校区ごとの統括3人の45人を人選し、できるだけ早期に設置すべく準備を進めております。
また、地域防災計画の改定に着手いたします

次に財政課について、でございます。

財政課では、昨年から引き続き、中・長期の財政計画の素案策定を進めております。総合計画や都市計画マスタープラン、第二期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略に謳いこんだ様々な取り組みの実現過程で、財政状況がどのように動いていくのか、更に検証を加えて議会にご報告いたしたいと考えます。

まちづくり課においては、篠栗北地区産業団地におけるまちづくりのグランドデザインの構築を進めます。また、ふるさと寄付金は昨年度の当初予算額から1億円上乗せし、1億5千万円を目標として、返礼品のメニュー開発を進めます。

これまでのSNSに加えて、LINEやテレビのdボタンを活用した情報発信に取り組み、多くのツールで町民の皆様へ早く正確な情報を提供できるよう推進いたします。

会計課におきましては、出納事務のOA化を推進し、事務処理の短縮と確実性の向上を図り、事務ミスを起こさない体制づくりを更に強化いたします。

税務課・収納課につきましては、これまでどおり税の適正かつ公正な課税を目指すとともにキャッシュレス納税を推進することによって、徴収率向上への取り組みを推進してまいります。また、事務の効率化に積極的に取り組みます。

住民課でございます。
令和3年度は、和田地区の住居表示を11月6日から実施いたします。
また、マイナンバーカード交付率向上のための体制を充実させ、できるだけ早い時期に50%以上の交付を目指します。

3 民生費・衛生費

民生費、衛生費は福祉課、こども育成課、健康課、都市整備課環境係が所管しております。

福祉課におきましては、福岡工業大学との共同研究事業として、「ささぐり元気もん活動」に取り組みます。これは、前期高齢者を対象にアンケートと体力測定を実施し、その後の追跡調査により効果的な介護予防事業を研究し、町の高齢者の健康寿命の延伸につなげる取組みです。
天空会館の空調につきましては、昨年度に引き続き一部のゾーンを更新いたします。次年度までで事業を完了する予定です。

こども育成課では、子ども家庭総合支援拠点を設置し、すべての子ども・家庭の相談に対応する体制を整えます。
昨年からの継続事業でございますが、保育所の待機児童解消対策として篠栗幼稚園の一部を民営化し、令和5年4月の認定こども園開園に向けた整備を行います。
放課後児童クラブの支援単位を増設し、待機児童の解消を図ります。

次に、健康課について申し上げます。
既に2月から、新型コロナウイルス感染症対策に伴うワクチン接種推進室を設置し、1年間かけて希望する町民に2回のワクチン接種の完了を目指します。

福岡市が先行して行っている不妊治療のための補助を糟屋地区でも何らかの取り組みをしようと糟屋地区市町長協議会で取り決めました。篠栗町では一般不妊治療に対する補助を新設いたします。

都市整備課環境係が所管しておりますクリーンパークについては、次期処理施設移行のための具体的な計画作成と関係自治体・地域への説明、協議をスタートしており、須恵町・粕屋町と連携を取りながら遅滞なく計画を進めてまいります。3月23日に次期処理施設をクリーンパーク内に建設するための地元説明会を開催いたします。

4 農林水産業費・商工費

次に、農林水産業費・商工費の所管であります産業観光課の取り組みについて申し上げます。

令和2年4月から事務局の民間委託を開始した篠栗町観光協会は、様々な新しい取り組みを提案しつつ、篠栗町の観光キーステーションとしての足固めをしているところです。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使った、密を避けるためのお遍路カフェの開設や、秋に行っていた九州森林スポーツフェスタに代わるトレイルラン大会の実施など、篠栗町の環境を活用した企画を練ってもらっているところです。

昨年度、新型コロナ感染症対策の観点から実施できなかった森林セラピー基地篠栗10周年イベントを、秋にセラピーウォーキング月間として、観光協会・森の風篠栗(森林セラピー基地案内人の会)と共同で実施したいと考えております。

消費者行政については、福岡県消費者行政活性化基金事業を活用し、啓発活動、消費者生活相談業務の機能強化を推し進めてまいりました。今後も「粕屋中南部広域消費生活センター」を拠点に、継続して相談者の対応に努めて参ります。

5 土木費

次に、都市整備課が所管しております土木費について述べます。令和3年度は、災害対策のための水路改修工事の継続をはじめ、側溝整備や道路維持補修など、例年どおりの取組みを行うこととしております。
本年度も区からの要望を聞きながら優先順位を決めて実施いたします。

6 教育費

教育費は学校教育課、社会教育課 が所管しております。

学校教育課でございます。
令和2年度は国のGIGAスクール構想(これはSociety5.0時代を生きる子どもたちに求められる全国一律のICT環境整備)に基づき、電子黒板や書画カメラ、1人1台のタブレット端末の配置を完了いたしました。令和3年度はこれらICT機器をしっかりと活用できるよう、各学校における校内研修や町の研修を充実させ、GIGAスクール構想の推進を図ってまいります。

社会教育課では、地域学校協働活動の推進に取り組みます。
これは、地域全体でこどもたちの成長を支えるとともに、学校を核とした、より良い地域社会を創ることを目的とし、地域と学校が連携・協働して行う様々な活動をコーディネートする「地域学校協働活動推進員」(3小学校に各1名)を配置し、併せて、その体制の拠点となる「篠栗町地域学校協働本部」を整備するものです。

また、カブトの森公園テニスコートのLED化工事を、教育債を活用して行います。

7 上下水道費

上下水道課が所管しております水道事業において、令和2年度から、施設・管路更新の5ヶ年計画を進めていますが、令和3年度は金出地区、尾仲大柳地区の配水管更新工事を継続して進めます。また老朽化している第1浄水場建て替えについて具体的な計画を策定することとしています。

 

以上、令和3年度の各課の主な取り組みについて説明いたしました。

諸施策取組みに当たっては、これまで同様、職員一丸となって努力してまいることをお約束いたします。詳細は当初予算特別委員会においてご説明いたします。

私自身も、これまでどおり、自らが率先して関係方面との折衝・対応に当たり、町政発展の為にまい進する所存でございますので、議会におかれましても、引き続き篠栗町の発展のためご尽力賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

令和3年3月4日 篠栗町長 三浦 正

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まちづくり課 広報広聴係

〒811-2492 福岡県糟屋郡篠栗町中央一丁目1番1号
電話番号:092-947-1204

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