令和5年篠栗町議会第1回定例会施政方針~『ど真剣に取り組む』~

皆さんおはようございます。本日、令和5年第1回定例会を招集いたしましたところ、公私ともご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。寒い冬も終わり、今日から3月。草木の芽吹きを実感する春がやってきました。もうすぐ篠栗の山々が一番映える濃淡色とりどりの緑に包まれることでしょう。

それでは、令和5年度の施政方針についてしばらくお時間をいただき、述べたいと思います。

 

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から早1年が経過しました。国際秩序は混迷から脱したとは言いがたく、いつどこで何が勃発してもおかしくないような状況が続いております。我が国の周辺諸国においても同様でございます。ウクライナ・ロシアともに多くの尊い人命が失われている現実を我々も直視しなければなりません。

1986年(昭和61年)3月25日に非核・恒久平和宣言をしている篠栗町として、この戦争の早期解決と全人類の願いであるはずの世界平和と国際秩序の維持を願って、日本国として世界平和のためにさらなる力を発揮するよう国に求めてまいります。

いよいよWITHコロナの時代

新型コロナウイルス感染症の拡大への恐怖に立ち向かった3年間がもうすぐ終息しようとしております。3月13日からマスクの着用は個人の判断にゆだねられることになり、5月8日には感染症法の位置づけが2類から5類へ移行されることも決定しました。いよいよWITHコロナの時代に入ってまいります。

篠栗町において、ワクチン接種にご尽力いただいた町内医療機関の先生方に改めて深甚なる敬意を表しますとともに、ワクチン接種に対してご理解をいただき積極的に接種を受けていただいた町民の皆様に感謝いたします。今後も国の方針に則り、新型コロナウイルス感染症がインフルエンザと同じレベルの病気としてしっかりと町民の皆様の意識に浸透するよう、町としても、うがいやこまめな手洗いなど日々の備えについての広報をしっかりと継続してまいります。

福岡県町村会の動き

そうしたなか、福岡県町村会では、昨日開催された定期総会において「我々を取り巻く環境は、変異を繰り返す新型コロナウイルス感染症流行の長期化、国際情勢の不安定化に伴う経済の低迷、物価高騰など、国民生活及び社会経済活動に極めて深刻な影響をもたらしている。加えて、近年多発する自然災害に鑑み、コロナ対策をはじめ、災害からの復旧・復興の支援対策の充実に努めるとともに、住民の生命、財産を守るため、防災、減災対策のさらなる推進をはかり、安全・安心な暮らしの確保とコロナ禍・コロナ後社会を見据えた社会の構築を国と地方が総力を上げて取り組んでいかなくてはならない。(中略)

今後も、町村が自主的・自律的に様々な施策を展開しうるよう、地方5団体等関係団体とも強調しながら、創意を結集し、全力を尽くす決意である。」として、

1デジタル田園都市国家構想交付金等を拡充し、デジタルを活用した地域活性化と地方創生の更なる推進を図ること

1情報通信基盤とそのネットワークの一層の整備をはじめとするデジタル化施策を積極的に推進すること

1地域から脱炭素化を図ること

等17項目の決議を行いました。

『ど真剣に取り組む~初年度~』

私は、1月3日の西日本新聞朝刊の春秋の「全国1700余の自治体を、国はどういう未来に連れて行くのか。」という文章を受けて、1月4日仕事始め式で職員に次のことを話しました。

「国に連れて行ってもらう時代はもはや終わったのではないか。いまや各省が、商店の店先よろしく、こぞって色々な新しい品揃えを試みます。そうしたなかから私たちは、感度いいアンテナを張り巡らし、わが町に合った政策や国が支援する事業を取り込んで篠栗町フォームにカスタマイズして先進事例をつくり上げる。

もう他の自治体の事例を追うときではない気がしております。

私の敬愛する稲盛和夫氏は、盛和塾という勉強会のなかで「中小企業の社長は、まず、社員とその家族の生活を守らないかん。そのうえで、社業の発展のために『ど真剣に』仕事に取り組まないかん」と度々力強く話します。

一方私たち(役場職員)は町民の皆様の納税のおかげで、今の立場を将来にわたって安定的に維持することを約束されている身です。

町長が従業員170名の会社「篠栗町」の経営者とすれば、いの一番に頭におかなければならない職員とその家族の生活の安定は町民の皆様が考えてくれる。

これほどありがたいことはない。そう考えるならば、「私は、そして私たち篠栗町に奉職する職員は、これまで以上に『ど真剣に』仕事に取り組む余力を持っているのではないか。今まで小出しにし過ぎてはいないかと思うに至りました。

「全国1700余の自治体を、国はどういう未来に連れて行くのか。」の言葉を考えたとき、国に連れて行かれなくてもいい。わが篠栗町が全てにおいて先進地として新たな取り組みを重ねていく。その力を十分に私たちは蓄えてきた。これから数年はそれを一気に爆発させて「福岡県篠栗町ここにあり」と全国にその名を轟かせるときがすぐそこまできている気がしています。

「カーボンニュートラルへの取組み」「都市計画区域内の積極的な開発」「少子化に立ち向かう新たな扶養政策と教育政策」、そうした課題を皆さんとともに『ど真剣』に考え、形にしていこうではありませんか。

これまで以上に私は、職員の皆様に細かく発信し、新たな取り組みの可能性を投げかけ職員の皆さんとともに成功事例をつくり上げようと思います。

2023年は篠栗町の「持続可能なまちづくり」から「間違いなく持続するまちづくり」への元年としたいと考えます。今年1年どうぞよろしくお願いいたします。何事も『ど真剣』に取り組みましょう。」

と宣言しました。

第7次総合計画がスタート

令和5年度から第7次篠栗町総合計画をスタートさせます。これからの5年間の「まちづくり未来チャート」です。キーワードは「人と人 人と自然がつながる 喜びのまち」です。

第6次総合計画「篠栗みんなの羅針盤」として5年間取り組んできた成果や新たな課題を振り返り、新たな時代や社会状況に即した独創性と実効性のある「未来チャート」として策定したものです。子供たちが親世代となる20~30年先も見据えつつ、篠栗町のまちづくりの「ビジョン」として今後のまちづくりの指針として策定したものです。これからの5年間、町民の皆様と一緒にしっかりとかたちにしてまいりたいと考えますのでどうぞよろしくお願いいたします。

第2期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略の中心施策であります「篠栗北地区産業団地開発事業」はいよいよ進出企業による工場建設工事が一部始まりました。三つの工場が操業開始に向けて急ピッチで準備を進めています。個性ある様々な食品系工業団地の形成とそれらを目当てに人の行き来を演出する未来志向のシンボルゾーンを形成されることを楽しみにしております。今秋には第1回目の創業祭を行い、人の行き来する新たな篠栗町のキーステーションとしての発信をスタートいたします。本日この機会に初めて「篠栗北地区産業団地」を「IRUGASAS(イルガーサ)」と命名したことを発表いたします。

 

今年度も引き続き、カーボンニュートラルや新たな農業に向けた取組み、町民がしっかりと絆を深められるような自治会のありかたへの改革等、篠栗町の将来の道筋をつけるために様々な取り組みを全力で推進することとしておりますので何卒よろしくお願いいたします。

1 議会費

まず、議会におかれましては、議会の活性化に向けたさまざまな取り組みに対し心から敬意を表します。

議会事務局におかれては、更なる先進的な議会を目指して情報収集に力を入れ、今回の改選を機にさらに開かれた議会となるよう支援いただきたいと願っております。

また、一昨年新設の監査事務局も独立した機能をしっかりと果たしていただいております。今後とも丁寧かつ適正な監査と各課の業務指導をお願いできるものと思っております。

2 総務費

総務費では、総務課、財政課、財産活用課、まちづくり課、会計課、税務課、収納課、住民課が関わっております。

総務課では、自治会の活性化を図るための施策を検討することとしております。そのため、令和5年度は多様な立場の住民が参加して意見交換できる準備会議を立ち上げます。

また、災害対策・消防団機能の強化、充実を図り町民の安心・安全のための取組みを更に進めてまいります。

 

財政課では、町で実施するすべての入札を電子入札へと移行します。

インボイス制度開始への対応をしっかりと行い、町の関係業者の皆様に迷惑のかからないよう、まず、職員への研修を徹底いたします。

また、町職員として知っておくべき財政に関する基礎的な知識の習得を目指し、採用から3年目までの職員を対象に実施します。

 

財産活用課では、庁用車の入れ替えに際して、電気自動車への転換をおこないます。また、立体駐車場の管理委託の更新時期にあたり、現金でも支払えるように変更するなど、利便性を高めます。マイナポータルを活用して町民の皆様の利便性の向上を図ります。

 

まちづくり課においては、引き続き篠栗北地区産業団地におけるまちづくりのグランドデザインの構築を進めて、秋の第1回創業祭はじめ機会を設けてイベントを行う体制づくりを進出企業や商工会、観光協会と一緒に取り組みます。

令和4年度2億円を超えたふるさと寄付金は、返礼品のメニュー開発および出店サイトの増強を進め、3億8千万円(中期財政計画に基づく)を目標に推進いたします。

 

会計課におきましては指定金融機関窓口1名となりました。将来は指定金融機関からの要望の強い、窓口廃止も視野にいれた公金取り扱い手段の多様化も模索してまいります。

 

税務課・収納課につきましては、令和5年度開始する、地方税統一QRコード利用による納税への対応準備に取り組むなど、自治体DX推進の観点から、様々なキャッシュレス納税サービスを推進いたします。また、確定申告における電子申告(自主申告)も更に推進いたします。

 

住民課では令和5年度、田中区を中心として、庄区、新町区にわたる区域について住居表示を実施いたします。

また、現在、68.5%(2月18日現在)の交付率となっているマイナンバーカードの交付率100%を目指し、休日開庁、夜間開庁を継続して実施します。

3 民生費・衛生費

民生費、衛生費は福祉課、こども育成課、健康課、都市整備課環境係が所管しております。

福祉課におきましては、福岡工業大学との共同研究事業として、令和3年度から開始している「ささぐり元気もん活動」を継続し、参加者の運動能力に応じてコースを分けた介護予防教室を実施します。

 

こども育成課では、新たに定員140人規模の「認定こども園 篠栗どろんこ保育園」が開園し、一時預かり事業も行います。また、学校や家以外の子どもの居場所支援のための「子どもの居場所支援事業」を新規に取り組むとともに、コロナで途絶えていた「放課後子ども教室」も再開します。あわせて、「家庭支援事業」として生活の支援、親子関係の構築に向けた支援事業をスタートします。

 

健康課では、町民の皆様からの希望が多かったオアシス篠栗のお風呂を4月26日から再開します。母子保健において子育て支援の更なる充実を目指し、出産・子育て応援交付金事業・産後ケア事業に取り組みます。新型コロナウイルス感染症対策については、接種推進室を閉じ、母子保健係にて継続して行ってまいります。

 

都市整備課環境係が所管するカーボンニュートラルに向けた取組みを着実に展開してまいります。令和5年度は篠栗町脱炭素ロードマップの作成と公共施設へのオンサイトPPA事業を急ぎます。

町内でも徐々に増えつつある空き家を解消する為の条例を制定します。

クリーンパークに建設予定の次期処理施設は、令和5年度に業者を決定するというスケジュールで事業を進めるとともに、地元対策として行う予定の周辺整備計画協議を固めます。

4 農林水産業費・商工費

農林水産業費・商工費は産業観光課が所管しています。

産業観光課では春らんまんハイキング2023を開催します。

また、林業振興のため継続事業として工事を行っておりました小葉山線林道が令和6年3月に開通することにより、林業振興による萩尾地区の活性化を目指します。

消費者行政については、福岡県消費者行政活性化基金事業を活用し、今後も「かすや中南部広域消費生活センター」を拠点に、継続して相談者の対応に努めて参ります。

商工観光係を充実させ、さらなる観光推進につとめます。

5 土木費

都市整備課が所管しております土木費について述べます。

和田・津波黒地区の都市計画協議を完了させ、国道201号沿線の開発が円滑に進むようにいたします。

災害対策のための水路改修工事の継続をはじめ、側溝整備や道路維持補修など、例年どおりの取組みを行うこととしております。

令和5年度も区からの要望を聞きながら優先順位を決めて実施いたします。

6 教育費

教育費は学校教育課、社会教育課が所管しております。
 

学校教育課では幼保小中一貫教育と共育(ともいく)の推進に取り組みます。

教員の働き方改革に繋がる、生徒のスポーツ・文化活動の最適化を図るため、令和4年第4回定例会にて制定した条例に基づき部活動の地域移行の推進を行います。

小中学校における更なるデジタル教材の導入と、教員サポート体制の充実を図ります。

 

社会教育課では、社会教育委員との連携を深め青少年健全育成推進事業を体系化して、年度を通して篠栗・勢門・北勢門校区が同じ方向性を持って取り組みを進められるよう改革いたします。

各種講演会、研修会、スポーツイベントなど、今後も感染対策をしっかり講じて、大勢の町民の皆様にご参加いただけるよう努力してまいります。

7 上下水道費

上下水道課が所管しております水道事業において、令和2年度から、施設・管路更新の5ヶ年計画を進めていますが、令和5年度は和田、乙犬地区の配水管更新工事を継続して進めます。

老朽化している第1浄水場の更新事業は、設計・施工に向けた調査業務を行うとともに、用地を取得のための鑑定等準備作業を行います。

 

以上、令和5年度の各課の主な取り組みについて説明いたしました。

諸施策取組みに当たっては、これまで同様、職員一丸となって努力してまいることをお約束いたします。詳細は当初予算特別委員会においてご説明いたします。

私自身も、これまでどおり、自らが率先して関係方面との折衝・対応に当たり、町政発展の為に邁進する所存でございますので、議会におかれましても、引き続き篠栗町の発展のためご尽力賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

 

令和5年3月1日 篠栗町長 三浦 正

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〒811-2492 福岡県糟屋郡篠栗町中央一丁目1番1号
電話番号:092-947-1204

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