令和7年篠栗町議会第1回定例会施政方針~『篠栗新時代に向けて』~

皆さんおはようございます。本日、令和7年第 1 回定例会を招集いたしましたところ、公私ともご多忙の中、ご出席賜り誠にありがとうございました。

 

3月に入り一気に春めいた日和となりました。もう一度ぐらい寒さが戻るかもしれないとはいえ、3月です。下旬には桜も開花し、4月には篠栗の山々が一番映える新緑の淡い緑に包まれることでしょう。

 

昨日の篠栗町消防団非常呼集訓練は、中部消防署と粕屋中部三町消防団合同の訓練で、久山町内で発生した火災が篠栗町内演習林に飛び火し、応援消火活動を行うという趣旨の訓練でした。日本中の空気が乾燥しているなか、2月26日に発生し、現在も鎮火していない岩手県大船渡市の大規模林野火災のこともあり、消防団員は緊張感をもって行動しておりました。議員の皆さまにはご案内をしておりませんでしたが、全体として規律のとれた消火訓練であったと感じております。町としても装備の適切な更新を行いながら、消防団員の士気をしっかりと維持していく必要がありますので、今後とも議会におかれましてもご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

それでは、令和7年度の施政方針についてしばらくお時間をいただき、述べたいと思います。

ロシアによるウクライナ侵略戦争の終結を期待した、一昨日のトランプアメリカ大統領とゼレンスキーウクライナ大統領との会談が物別れに終わり、益々西側諸国同士の混迷が深まってまいりました。今後の国際情勢について、緊張感をもって見守らなければなりません。一方、国の令和7年度予算を審議している第217回通常国会においても、なかなか審議のまとまりを見通すことができず、迷走しております。また国際的なエネルギー価格、原材料費の上昇、さらには米不足や野菜不足による物価高騰など、日本は依然として困難な状況に直面しております。

度々申しておりますが、篠栗町は令和3年9月に「ゼロカーボンシティささぐり」を宣言しました。今こそ、世界の近代化の原動力になった化石燃料によるエネルギー政策から脱却し、自然の循環を重視した脱炭素社会実現のために一歩踏み出す時期に来ていることを深く理解し、先進自治体にならって2030年までに、2013年度対比温室効果ガス46%削減のための行動を継続しなければならないと実感しております。いよいよ令和7年度は公共施設のオンサイト PPA 事業をスタートいたします。

そうしたなか、福岡県町村会では、2月28日に開催された定期総会において「町村を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少、基幹産業である農林水産業の衰退、頻発する自然災害、国際情勢の不安定化に加え、物価高や民間の賃上げなどに伴う委託費の増加、人件費の増額など、多くの課題を抱えており、また、総じて税源に乏しく厳しい財政運営を余儀なくされている。このような中にあっても町村は、住民の生命、財産を守るため、防災、減災対策、国土強靭化の更なる推進をはかり、災害からの復旧・復興の支援対策の充実に努め、安全・安心な暮らしの確保と地方創生による分散型国づくりを国とともに総力を上げて取り組んでいかなくてはならない。(中略)よって、町村が自主的・自律的にさまざまな施策を展開しうるよう、地方5団体等関係団体とも協調しながら、以下の事項の実現に総意を結集し、全力を尽くす決意である。」として、

 

1激甚化・広域化する自然災害に迅速かつ的確に対応できるよう、防災・減災対策、国土強靭化を一層推進するとともに、災害からの復旧・復興への十分な財政支援を図ること

1地方分権改革を推進するとともに、東京一極集中の是正と分散型の国づくりを強力に推進すること

1これまでの地方創生等の取組の成果と反省を活かした新たな地方創生による大胆な施策を講じること

1自治体 DX をはじめとするデジタル化施策を積極的に推進すること

1全国一律に実施すべき総合的な施策について市町村の財政力等によってこども・子育て支援施策に地域間格差が生じることのないよう必要な措置を講じること

1地域から脱炭素化を推進すること

等15項目の決議をおこないました。

『自らが情熱の矢となれ』

例月の月末に開催している、管理職対象の課長・課長補佐会議において、2月27日は『言志四録』(佐藤一斎著)からの一節「我自らを感じて而る後に人之れに感ず。」(自分が感動するから、そのあと人にそれが伝わるのだ。)と話しました。即ち『自らが情熱の矢となれ』ということです。

令和7年度のスタートを前に、今定例会で各課が考える事業とその実現に向けた予算案を可決いただいたならば、すべてにおいて情熱を持ってそれをやり抜こうという思いでございます。この意気込みで取り組んでまいりますので何とぞよろしくお願いいたします。

 

では、令和7年度事業について、課ごとで取り組もうとしているポイントを説明いたします。

1 総務費

総務費は、総務課、財政課、財産活用課、まちづくり課、会計課、税務課、収納課、住民課が所管しております。

 

●総務課

業務効率化を図ること、適正な人員配置と今後の組織見直しを視野に、業務改革(BPR=Business Process Re-engineering)を実施いたします。
また、緊急防災・減災事業債を活用して、更新計画に基づき消防車両と装備の充実を図ります。

●財政課

入札契約関連事項の電子化の推進に関して、令和7年度10月から入札にかかる案件の電子契約導入をめざします。

●財産活用課

懸案でございました庁舎耐震化工事は概ね完了しつつあります。令和7年度も引き続き自治体DXを推進してまいります。平成27年12月に策定いたしました篠栗町公共施設等総合管理計画の改定を行います。
また、国が進める地方公共団体情報システム標準化改定の方針に合わせ、戸籍業務も含め、生活保護業務を除く19業務を対象に令和7年度末までに標準化システムに移行します。

●まちづくり課

23年度からの篠栗町第7次総合計画や国のデジタル田園都市国家構想を加味した「第3期篠栗町まち・ひと・しごと創生総合戦略」が出来上がりました。その初年度としての取り組みをスタートいたします。令和7年度は、昭和30年に合併篠栗町がスタートして70周年の年に当たります。節目の年として、後世に残るものを企画したいと考えております。

●会計課

令和7年1月末にDXの推進と金融機関手数料負担に伴うコスト削減対策として、役場指定金融機関派出窓口を閉鎖いたしましたが、更なる業務効率化をめざします。

●税務課

確定申告における電子申告・電子申請の手続きを拡充するとともに、軽自動車税などの申告手続きのオンライン化を図ります。

●収納課

引き続き従来の納付方法(金融機関窓口、口座振替、コンビニ)に加え、新たに自宅のパソコンやスマートフォンなどから、インターネットを利用した納付の推進による徴収率の上昇をめざします。

●住民課

マイナンバーカードの交付については、引き続き交付率向上の取り組みを進めるとともにマイナ保険証への切り替えに伴う必要な説明やサポートを進めます。子育て支援策として、こども医療費の助成を拡大いたしましたが、他の市町における更なる拡大の検討を踏まえ、足並みをそろえられるように取り組んでまいります。
また、令和7年度から令和8年度にかけて、尾仲区の住居表示を実施いたします。

2 民生費・衛生費

民生費、衛生費は福祉課、こども育成課、健康課、都市整備課環境係が所管しております。

●福祉課

福岡工業大学との共同研究事業として、令和3年度から開始している「ささぐり元気もん活動」を令和7年度も継続します。現在の「篠栗町福祉総合計画(ささぐり福祉プラン)」が令和8年度に満了することに伴い、新たな篠栗町福祉総合計画の策定準備に入ります。新たな取り組みとして「篠栗町居住支援協議会」を立ち上げ、住宅施設と福祉施策が連携した地域の居住体制の強化を図ります。詳細は、当初予算連合審査の際にご説明いたします。

町営葬祭場「天空会館」につきましては、築20年以上が経過していることから屋根などの経年劣化が著しく、今後の大規模改修や会館の運営形態などについても議員の皆さまや町民の皆さまとともに検討してまいります。

●こども育成課

国においては、保育にかかる助成が広がっております。「医療的ケア児保育支援事業補助金」は令和7年度新たに取り組む支援事業で、篠栗どろんこ保育園でスタートする予定です。
また、学校や家以外の子どもの第3の居場所として、子どもたちが安心して過ごせる環境で、自己肯定感、他人や社会と関わる力、生活習慣、学習習慣など、将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的に行う「こどもの居場所支援事業」に取り組む新施設がくすのき公園跡地に開設されます。平成15年度に建設された たけのこ・すぎのこ両児童館、平成18年度建設のやまばと児童館は、いずれも経年劣化により各部においてできるだけ速やかに改修することが望ましいと指摘されております。令和7年度たけのこ児童館外装補修工事を行います。

●健康課

今年度も町民の皆さまの健康増進のために各種予防事業を行うとともに、母子保健事業につきましても更なる充実をめざします。また新規に令和7年度4月から帯状疱疹ワクチンの接種を開始する予定にしております。築20年以上経過しておりますオアシス篠栗でございますが、さまざまな箇所で不具合が出ております。特に温浴施設は保健福祉事務所から大規模改修を要すとの指摘を受けております。オアシスバスの増便等も考慮に入れつつ今後の運営についての検討委員会を立ち上げて議員の皆さまとも一緒に新たなスタイルを模索してまいります。

●都市整備課環境係

カーボンニュートラルに向けた取り組みを着実に展開してまいります。令和7年度はオンサイトPPA事業がスタートすることから、SPC組成に向けた取り組みを始めます。

本日「篠栗町ワンヘルス推進宣言」をいたします。これは服部県政の重要な施策の一つであります、ワンヘルスの世界的先進地をめざすための取り組みでございまして、既に令和7年1月30日時点で、県内60市町村のうち34市町村が推進表明をしております。糟屋郡町長会におきましても福岡県におけるこの流れに呼応すべく歩調を合わせて取り組みを開始するものでございます(詳細は後刻の全員協議会にて説明いたします)。

3 農林水産業費・商工費

農林水産業費・商工費は産業観光課が所管しております。

●産業観光課

令和6年度から、国の「みどりの食糧システム戦略推進交付金」を活用して有機農業産地づくり推進に取り組んでおりますが、令和6年度に発足いたしました「ささぐりの食と農を考える協議会」を核として「ささぐりオーガニックビレッジ宣言」に向けた計画の策定と有機農業推進体制の構築を行います。10年間の施業計画で、森林環境譲与税を活用して、城戸区、山手区、山王区を中心に放置竹林の整備を計画的に行っておりますが、伐採後の竹の処理を工夫して引き続き施業計画に基づき取り組みます。

ふるさと納税寄付金については、令和6年度は目標未達に終わったことを踏まえ、地域おこし協力隊を活用し、魅力あるふるさと返礼品の企画開発と広告運用の見直しなどにより4億円の目標達成をめざします。消費者行政については、福岡県消費者行政推進事業補助金を活用し、今後も「かすや中南部広域消費生活センター」を拠点に、継続して相談者の対応に努めて参ります。

4 土木費

土木費は都市整備課が所管しております。

●都市整備課

工事につきましては、行政区からの要望で緊急性があるものに関する工事および町内の道路舗装等を中心に行います。災害対策のための水路改修工事の継続をはじめ、側溝整備や道路維持補修など、例年どおりの取り組みを行うこととしております。
また、九州大学農学部福岡演習林の有効活用について九州大学と協議に入っております。これは、福岡演習林のうち山林部分を除く和田区、津波黒区内にあります、果樹園や薬草園などについて逐次他地区に移す計画が内々に進められているとの情報を令和7年2月に掴んだことから、広大な跡地の利用について篠栗町のまちづくりに資する取り組みをともに進めたいと申し出ているものでございます。いずれ、九州大学と篠栗町と共同で公表できると考えております。

5 教育費

教育費は学校教育課、社会教育課 が所管しております。

これから所管課を決めて準備いたしますが、町政70周年を記念して、町内小中学生の海外派遣事業に取り組みます。これは福岡県市町村振興協会の福岡県市町村小中学生海外派遣事業助成金 5,000千円を活用するとともに、一昨年ご寄付をいただいたことで創設した「柳池フサヱ教育地域振興基金」を活用して、毎年10人程度の小中学生を海外に派遣する事業でございます。詳細は今後固めますが、町内小中学生が現地の子どもたちとの交流を通して、言語、歴史、文化などを広く見聞することにより、国際的視野を広め、国際感覚を培い、社会に貢献できる人材を育てることを目的とするものです。今年度議会をはじめ教育委員会などの意見をお聴きし、県内で派遣した自治体からの情報を収集して計画を立て、令和8年度から実施する計画です。

●学校教育課

令和7年度も引き続き幼保小中一貫教育と共育(ともいく)の推進に取り組みます。勢門小学校および北勢門小学校体育館大規模改修工事を行います。篠栗小学校では、特別学級の増加に伴う将来の教室不足が懸念されることから、校舎建設に向けた設計に取り組んでおります。引き続き議会にも説明をしながら建設費の補正予算を組む段取りとしております。

●社会教育課

災害時の避難所として使用することとしている、50周年記念体育館の空調設置工事を緊急防災・減災事業債を活用して行います。また電子図書館の普及のため、広報活動などを積極的に行い読者層の拡大をめざします。

6 上下水道費

●上下水道課

令和6年度に老朽化している第1浄水場の更新に伴う用地購入を完了しております。令和7年度は、水道事業変更認可取得および、DBO方式により設計・建設、運営を一体として行う事業グループの募集・選定を行い、令和8年2月を目途に契約を行う予定としております。令和8年度から本格的な設計・建設工事に入り、概ね令和10年度内には新たな浄水場の運用開始となる見込みでございます。老朽化した各地域の配水管更新工事を計画的に行うとともに、下水管についても定期的な管渠維持管理を行ってまいります。

以上、令和7年度の各課の主な取り組みについて説明いたしました。
諸施策取り組みに当たっては、これまで同様、職員一丸となって努力してまいることをお約束いたします。詳細は当初予算特別委員会においてご説明いたします。
私の新たな任期初年度として、これまで同様に自らが率先して関係方面との折衝・対応に当たり、町政発展の為に邁進する所存でございますので、議会におかれましても、引き続き篠栗町の発展のためご協力賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

令和7年3月3日 三浦 正

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総務課 秘書給与係

〒811-2492 福岡県糟屋郡篠栗町中央一丁目1番1号
電話番号:092-947-1112

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